新しいきずな

●おしょう記●もう20年以上前のことで、てっきり時効と思って、前回「過去の恥ずかしい話」を書いたつもりが、意外にあちこちでびっくりされて、再び「恥ずかしい」気持ちに陥っている今日このごろ・・。

●一念発起、たまにはまじめな話も書こうと思い立ち、今回は「新しいきずな」を感じたエピソードなど。

今まで、あまり話題にしていないが、実は住職は、数年前から地域で保護司の役職を受け持っている。

法務省の委嘱を受け、犯罪を犯した人たちの更生保護に関係する、いわゆる「保護観察」などを行う任務だ。

正直言って、あまり積極的に受けたわけでなく、前任者が急にやめられ、頼まれて、かなり消極的に受けた格好ではあった。

また、今までに何件か受け持ったケースが、必ずしも、うまくいったわけでもなく、自信もなくし、できれば辞退したいと、先輩保護司の方に相談させていただいたこともあった。

そんな「落ちこぼれ保護司」ではあるが、何とかずるずると続けている。

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●そんな更生保護関係の講演会が、先日同志社大学で開催された。

これは、強制参加ではなく、案内だけもらって自由に参加するという形式であったが、テーマが>「若者の薬物中毒を考える」というテーマだったので、是非にと思い参加した。

実は、現在受け持っているケースが、ややそれに近いところに関係しているからだ。

講演者はそれぞれ、自らが若い時から薬物中毒にかかって、すさまじい人生を送ってこられた人たちばかりだったので、とても説得力があった。

千葉マリアさんという、40年ぐらい前にデビューをされた歌手がおられ、その長男さんが、10代の頃から薬物をされ、何度も病院や刑務所に入ってこられたそうだ。

当日は、その長男さん御本人(40歳)と千葉マリアさん(61歳)が、それぞれ、当事者と母親の立場から、経験談を話された。

心の空虚感を埋めるために、薬物にはしったこと。何度も病院や警察のやっかいになり、とうとうこれ以上薬物をやったら死ぬしかないというところまで来てしまったこと。

そして、自主更生グループの「ダルク」に出会い、やっと今現在、何年か薬物を断って、自分自身も館山の方のダルクの代表をされていることなどなど・・。

そして千葉さんも、数十年間の母親の立場からの苦悩を経て、現在、女性依存者のリハビリセンターを立ち上げて活動されているだ。

最後に、京都ダルクの所長をされている方が、これも自らの当事者としての経験を話され、実際のダルクのメンバーたちが、模擬ミーティングで、それぞれの経歴を述べあう場面もあった。

●今まで、あまり当事者の人たちに実際に会う経験もなかったし、何か、恐ろしい世界というイメージしかなかったが、経験をされてきた人たちが、あまりにも普通の人たちばかりだったので、かえってびっくりした。

もちろん、刑務所か、死ぬか、薬をやめるかしか選択がないという厳しい現実の中で、たまたま生き延びてこられたのだろうが、マイクの前では淡々と自らの経験を述べられていたのが印象的だった。

「この身体では無理だろうが、できればもう一度生まれ変わって薬をやりたい!」という、本音の言葉が信憑性をおびて聞こえてきた。

「一人では無理、仲間の中で支えあってこそやめられる」という、言葉に、空虚感から薬に走って、今、新たな連帯の中で、生まれ変わろうとしていることに感銘を受けた講演会だった。

●あと、先日NHKで放送していた、東京・山谷のホスピスの活動を紹介した番組も非常に興味深かった。

ホームレスで、ガンなどで余命短い人に、最後の日々を安穏に過ごしてもらおうと立ち上げらえた「希望の家」。

必ずしも皆、最初から心を開く人ばかりではないが、スタッフたちの「あたりまえの隣人」としての寄り添いに、だんだん心を開き、最後は感謝して亡くなっていく人たちが映されていた。

ここでも、家族などの既成の「きずな」だけでは対処しきれない、新しい「きずな」の構築が示されていたように思う。

●本山佛光寺では、来年の親鸞上人の750回大遠忌のテーマが「家族の絆」である。

決してそれを否定するわけではないが、度重なる「虐待事件」などをみても、もう家族の中だけで解決を考えていては、おさまらないのではないか?

この間の上記のケースなどを見るにつけ、「家族」だけではない、新しい「きずな」のあり方を、社会全体で考えていかなければならない時代になってきているように思える。

●そんなことで、酒の上での「醜態」を挽回するような?まじめなテーマで、今年の自分の最後のブログを締めくくりたいと思う。

みなさんよいお年を!!>


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